いわき駅から68分、いわき市三和町差塩にある終点です。
バスは国道49号線の合戸から山を越え、永井を経て、山間にひらけた差塩地区までやってきます。大きな民家の前のバス停が平日にほんの3本だけやってくるバスの終点となっています。


バス停ポール。
少し煤けたポールが立っています。


(左:終点からいわき駅方向・右:左写真の反対方向)
いわき駅から1時間以上、結構山深い場所を通ってきますが、終点の差塩地区は意外とひらけています。この先は下三坂や川前へ続いています。


折返場所はかなり離れています。
かつてはバス停の前の民家の敷地で折り返しており、夜間にはそのままその民家にバスを停め、乗務員さんは部屋を借りて寝泊まりしていたそう。現在は上三坂車庫からの回送となっています。昼に1往復だけある差塩折返し便だけがここを使用するのでしょう。


バス停から1kmほど歩いたところにある交差点。直進すると磐越東線の駅もある川前ですが、この先は未改良の道が続きます。 左折すると下三坂・上三坂へと続きます。折返場所もこの先です。


上の交差点までの間には「差塩湿原」なる低層湿原が。
ミツガシワ・ミズドクサ・サギスゲなどの高層湿原で生育する植物が見られるそう。結構珍しいようです。 夏場の訪問だったので私の眼にはただの湿地に見えたわけですが・・・


廃車体がゲートボール場の片隅に置かれていました。
休憩所としてでも活用されているのでしょうね。


バス停とRJ。
田舎の終点には古いバスが似合います。古いバスもそうですが、味のある終点もどんどんと失われていく中、貴重な風景です。


折返して発車を待ついわき行き。
乗務員さんはバス停前の民家に弁当箱を持って入って行きました。 のどかな光景ですね・・・


ゆっくりと時が流れているような錯覚を感じるような、静かな村。
でも時間は確実に流れていて、いつの間にか1時間の待機時間が過ぎてしまいました。


狭隘区間が盛りだくさんのいわき−差塩線。
昔はもっと狭いところもあったと、長年務める乗務員さんが教えてくれました。


(左:乗車した車両・右:運賃表)
乗車したのは日野RJ。昭和60年式と言う古参車。上三坂車庫の予備車でしたが、運良く乗車出来ました。運賃はいわき駅から950円。1時間ほどの路線としては思ったほど上がらなかったかな、という感じ。

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「差塩」という名前は磐越道のPAの名前にもなっており、聞きおぼえがある方もいらっしゃるかもしれません。そんな差塩に向かうのは平日のみ3回だけ。往復の乗車ができる昼の便に乗車。幸運にもRJ。好間を過ぎると旧道大利へ。上三坂方面の便は国道49号線を 通りますがこちらは集落内を迂回。さらにその先合戸までは狭い山道を抜けます。 合戸で一旦国道49号に合流しますがすぐに右折。しばらくバス停もない山道を抜け、永井地区へ。道は狭くなったり広くなったりを繰り返します。上永井で最後の乗客を降ろすとその先は再び山道。川沿いに1〜1.5車線くらいの道がヘロヘロと伸びています。 これを過ぎるとやっと差塩地区。差塩小中学校の前を過ぎ、少し走ると間もなく終点差塩仲町に到着です。


○周辺地図


2012年8月11日訪問

2014年2月7日公開

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